シベリア鉄道の車掌

obatyan.jpg各車 両ごとに車掌さんがいた。たぶん二交代制なのだろうか、2人で24時間体制で何があっても良いように交代で勤務していたのだと思う。

我々が乗った車両には”大きな”ロシア人のおばちゃんの車掌さんがいた。太ってるとか、体格が良いとか云うよりこの”大きな”という表現がぴったりのような気がする人だった。もう一人がどんな人だったか忘れてしまうようなインパクトだ。

朝、そのおばちゃん車掌がわれわれのコンパートメントをノックして顔を出しにこにこしながら「チャイいるか?」と聞いてくれて、ああ、もちろんロシア語でですが、あわてて我々が「ダー・ダー」と答えるとしばらくして、取っ手のついた金属の入れ物にコップが入った”チャイカップ”に紅茶を入れて、沢山の角砂糖とともに持ってきてくれた。

あるときはジャムやチョコレートも一緒に。
この目覚めの砂糖入りのチャイは何とも言えず美味しかった。
でも…チョコレートもジャムも頭が痛くなりそうなくらい甘かった。日本では甘さ控えめ系のお菓子が主流だったのでちょっとしたショックだった。

美味しかったと云えば、車内で買って飲んだジュースもとてもうまかった。
たしか”こけもも”と”黒すぐり”だった?ような…。その後何度もロシアに行ってるヤマチャノフスキーも、あの時のおいしいジュースには、その後はめぐり会えなかったと言ってたような気がする。

さてこの車掌のおばちゃんには、後の話に出てくるボーバもミーシャも、パニマユシュ男もハオスおじさんもたじたじなのである。
禁煙の廊下でたばこを吸ってなんかいたら、たちどころに怒られて、猫をつかむように首根っこを持たれてポイッと外へほおり出されそうな感じであるのだ。でも目は青くて、くりくりして優しいのだ。英語でなら「ビッグママ」とでも云うのだろうか。

さて彼女だけでなくソ連では”労働婦人?”をよく目にした。空港の外貨両替カウンター。地下鉄の駅の改札を見張ってる?婦人鉄道職員。ホテルの各階ごとにいて、鍵を管理しているおばちゃん。町で見かけた眼光鋭い婦警さん?。労働婦人を沢山見かけるのは、社会主義は男女平等の思想が発達しているからなんだろかとか、国民総公務員?の国だから何て、わけわからず考えたような記憶がある。といっても日本でも働く女性はたくさんいるのだけれど。

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